関西電気保安協会

 きょう、ようやく引越しで荷造りした段ボールが部屋から消えた。引越しから一ヶ月と二週間、思い出して数えれば合計で90箱はあったんじゃないかと思う。知り合いが泊まりに来たとき、これは引越しの業者がかわいそうだとささやかな感想を漏らした。段ボールがなくなったのはいいのだが、きょうの部屋の中は必要なのか必要でないのかわからないグレーゾーンなマテリアルで余計に溢れ返り、部屋も俺の心もグレー一色に染まっていく。そんな時は、自分のアイデンティティをかろうじて崩壊から救出すべく、お笑いのDVDを虚ろな目でボーっと見続けたりしたくなってしまうのである。

 さて、大阪出身な自分にとっては、「関西電気保安協会」のTVCMはその郷愁とアイデンティティの中核を成すものである。というか、全関西人および関西出身者にとってもそうではないだろうか。ちょうどこの前、YouTubeでCMをまとめた動画を発見したのでついでにリンクしておこう。これを見れば、大阪特有のグダッた空気感というものがよくわかるだろうと思う。補足しておくと、関西電気保安協会のホームページはこちら→http://www.ksdh.or.jp/

 さらについでながら、全関西人の心に永遠のトラウマを残した「パルナス」のCMも紹介しておきたい。こちらは、ある年代以上に限られてしまうかもしれないが、その心に残されたインパクトは何によっても決して癒されることはないであろう。単なるお菓子のCMであるはずなのに、そのメロディーとブルーとグレーという極北的な色使いの映像は、子どもたちを完膚なきまでに恐怖のどん底に叩き落したのである。ちなみに、このCMの意外な用法としては、言うことを聞かない子どもに母親などが「言うこと聞かんかったらパルナス食べさすよ!!」と言ったりする例が見受けられたりなかったり。