「生命(いのち)のメッセージ展in早稲田大学2008」

 毎週火曜日は、早稲田大学経済学研究科と政治学研究科によるグローバルCOEプロジェクト「GLOPE II」(「制度構築の政治経済学」)のセミナーに出席している。単なる科目履修生の身だし経済学は素人に等しいから、プロジェクトに特に何の貢献をしているわけではないけれど、少なくとも自分の利益としては門前の小僧的に少しばかりは目と耳の肥やしにはなっているのである。しかし最近、もう少し経済学のマクロでベーシックな部分をしっかり勉強することに時間とエネルギーを使う方がいいんじゃないかと思うようになってきた。

 さて、そんな今日。学生会館に行ってみた。地下2階、後輩たち(後輩だけじゃないけど)が、今年も「生命のメッセージ展in早稲田大学」を開いてくれている。今年は自分はほとんどノータッチだった。だから顔を出しても良いものかということすら最初はためらわれたけれど、受付にKさんがいて気づいてくれて、奥からお馴染みのメンバーたちが顔を出してくれた。懐かしい〜〜〜 久しぶりにFちゃんなどとも話をしてみながら、相変わらず、ここはピュアで真摯な人間が集まってくるところなんだと感じた。

 大学の当サークルへの予算割り当てや便宜が厳しくなり、今年は学生会館は人権週間中でも多目的ホールしか使えなくなったという話だった。俺は、スタッフでも何でもない立場で、ということは4年ぶりくらいに、in早稲田の会場へと足を踏み入れた。会場を一回りしてみる。一昨年から舞台美術研究会に協力を頼んで、照明を会場の物とは別に持込でセットアップしている。その照明は暗く落ち着いた雰囲気で、静かに音楽が流れている。そこに並ぶのは・・・・・・

 生命(いのち)のメッセージ展、それは、事故や犯罪被害などで理不尽に命を奪われた人びとの、等身大の人型パネルと遺品の靴を展示するアート展である。それを、早稲田大学で毎年行っているのが、生命のメッセージ展in早稲田大学なのである。

 今年は、今まででもっとも規模としては小さいだろう。けれど自分は、会場のイスに座りながら、今年の会場が一番好きだと思った。別に過去を否定するという意味ではなく、なんて穏やかで優しい空間になったんだろうという思いが素直に湧き上がってきた。企画だとかそういうのは、余分なものにさえ思えてくる。静かに、メッセンジャーたちと対話できる時間と空間。それ以外に、何が必要だというのだろうか。そんなベーシックなことを思い起こさせてくれる。毎年思うことではあるけれど、今年は、今までで、最高の、in早稲田のメッセージ展だと思う。余分なものがそぎ落とされた、ピュアな本当に大事な部分。

 僕は会場のイスに座りながら、ぼんやりと会場を見た。きょうが初日ということもあってか、来場者はほとんどいない。この空気は、なんていう優しい空気なんだろう。優しいからこそ哀しく、哀しいからこそ優しい。だから自然と涙が出てくる。だけどここは温かい場所だ。僕は、いろいろあったけれど、やっぱりメッセージ展が好きだし、メッセージ展in早稲田大学に関わろうとして集う仲間が大好きなんだ。

 長々と書いてしまったけど、書きたい思いはただひとつ。今年のin早稲田スタッフのみんな、ありがとう。そして、これを読んで興味を持ってくれた人は、ぜひ会場に足を運んでみてください。新宿区戸山、戸山公園横の早稲田大学学生会館にて、今月14日まで開催されています。

チラシ:http://www.washa.net/PDF/message2008.pdf
過去の開催様子:http://inochi-waseda.main.jp/
活動ブログ:http://inwaseda.blog105.fc2.com/