Chaoticな大阪

 17日の夜、スティグリッツの入門経済学とマンガ描く道具とディ○○ーでのバイト用具一式といったまったく意味のわからない装備と共に高速夜行バスにて東京を後にした。そして着いたのは数ヶ月ぶりの大阪。

 大阪。この全体的にモサーっとした人々のファッションといい、そんな東京帰りの少しばかり高慢な感想など、ものの30分で粉々に砕くほどの混沌としたパワーといい、そんなカオスに満ち溢れた街が、僕のふるさとである。

 まあ大阪の実家にいろいろ激震があり、激震が走ってる割には家族みんなある意味のんきなのだが、ここへ来て両親が離婚するかしないかなんて話も出ており、17日はこれまた久方ぶりに親父などと会って家族会議めいたものも開かれたりしたのだが、むしろ別の大きな事件によって離婚するかしないかなど毛筋ほどの問題でしかなくなっている状況が面白いといえば面白い。

 それだけ昔から、ムチャな家庭だったといえばそうだったのだ。そして俺も、今さら何が起こってもそれほど驚きもしない、そのことに自分でも驚きながら、親父の話を聞いていた。そして、その後久方ぶりに家族で焼きソバを作って食べた。そこは親父のマンションだったので、最後の洗い物は俺がぜんぶ片づけたのだが、久しぶりで家族で囲んだ食卓の痕跡に触らせてあげるように、あえてそのままにして帰ったほうがむしろ親孝行だったかもしれない。

 18日は特に悪い夢も良い夢も見ずに目が覚めた。すると、同じゼミのKっちからメールが入っており、いま大阪にいるというので急いで用意して梅田で合流した。こいつと大阪で会うというのも変な感じがしたが、それよりも俺がいたサークルに入ってきた時のほうがよっぽど驚きだったなあなんて思い出しながら、短い時間ではあったけど、お好み焼きなど食って、やたらと人出の多いミナミをぶらぶら歩いた。

 枚方市役所に原付の廃車手続きの用事があったので、Kっちとは淀屋橋で別れ、何年ぶりかの京阪電車に乗った。いつからか、京阪電車はほとんどの電車が特急or準急という冗談のようなダイヤになっているのだが、それもまた大阪っぽくていい。この日の夜は姪が焼肉が食べたいというので、近所の店に食べに行った。

 19日。姪が映画のドラえもんを見たいというので近所のシネコンに行くも17時過ぎまですべてチケットが完売しており、仕方ないので姪の第二希望の「犬と私の10の約束」を見た。その後、これまた久方ぶりのHに会いに大阪梅田に向かった。出発時間から計算して到着が15分ほど遅れると電話すると不機嫌な様子だったので、その後、腹が減ってるならチーズバーガーでも食って待っててくれとメールをしたら、気づかいのベクトルが違うんじゃないかと言われた。

 Hとも久しぶりにいろいろと語り合ったが、その店は毎回Hと飲むときには何のかんので使う店で、おばちゃんが非常に商売熱心というか愛想がいい。会計の際細かいのがないのでHに立て替えてもらい、万札を崩すためにタワーレコードでいくつかオススメのCDを選んでもらってその中から「A Tribe called Quest / Midnight Marauders」というCDを買った。

MIDNIGHT MARAUDERS

 いやー CD良かったっすよ。前に人からもらったテープに入ってていいなと思った曲が入ってたし。またじっくり聞いてみるわ。

 大阪の空気はやっぱり肌になじむ。この街にいると、安心できる。だからこそ、僕はまだこの街に戻ってくるべきじゃないんだと思う。