明け方の街の中でひとり。

きょう再び電話でAにコンタクトした。

「えっ?俺ですか?全然だいじょうぶですよー きのう裸で窓明けて3時くらいまでそのままでいたら凍死しそうになっちゃいましたよー あははははははははははは」

…だいじょうぶじゃねぇこいつ。


とまぁ、それはさておき(ぉぃ)


ジョセフ・E・スティグリッツの本なぞ読んでる間に、なんとなく「はてな」のトップページからぼーっとブログを見たりリンクを辿ったりしていた。


http://d.hatena.ne.jp/inmymemory/20080220/1203521012

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http://b.hatena.ne.jp/SeiSaguru/%e6%84%9f%e5%8b%95/

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http://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-300.html


このハム速というやつの記事を読んでいて、一年前の自分を思い出した。正確にはおととしの1月くらいだったからもうちょっと前かな。

俺の実家は大阪の吹田というところにあって、そこはニュータウンなので団地やマンションが多い。その時の俺は、自分が将来何に進んだらいいのか何がしたいのかって本当にわからなくて不安だった。毎晩真夜中に、実家の家族が寝静まったあと、マンションを抜け出して、当てもなく歩き回った。

ふと目につくマンションみたいなのがあると、勝手に入っていって、上の階まで上がっていって、屋上や階段の踊り場のようなところでじっと街を眺めながら、何時間も過ごした。行動としては怪しいが。

別に何を考えるわけでもない。というか、何を考えなくてもいい。そうやって冷たい風の中、暗い街と街の明かりを見下ろしていると、ほんの一瞬だけ世界からも時間からも切り離されたような感覚を味わうことができた。浮遊感のような。

自分は何者かになれるのか。

自分はどこに向かいたいのか。

街が動き出す前のつかの間の静寂。

そして、

そんな風に悩んでる時間すらないってことも僕は自分に対して常に心の中で言い聞かせていた。うん、本当に切り離したかったのは自分を責める俺自身の声だったのかもしれない。

見知らぬマンションの屋上で、冷たい風の中、手すりにもたれて眺める街の明かりは、とてもとても、宝石のようにきれいだった。怖かったけど、きれいだった。

いつか遠い時間の中で、ああいつか遠い昔に自分が迷っていたということをほろ苦く懐かしく思い出すんだろうか。けど、いつまでもそうやっていると、さすがに寒くなってきて帰らなきゃって思うんだ。

去年はそれから、一生懸命就活を始めたんだっけ。結果は出せなかったけど、それは自分が進む方向が見えてきたからでもあると思う。

俺はもしかしたら、あのたくさんの街の明かりの中に道しるべを探していたのかもしれないなあ。