遥かなり、ホスピタリティ

 はい、というわけで2月の14日に某バイト先でのホスピタリティ・コンテストが行われたわけです。

 「ホスピタリティ」という言葉は特にサービス業の分野では最近よく耳にします。辞書的に言えば、それは「心からのもてなし」や「歓待」という意味になると思うのですが、じゃあ本当に人をもてなすとはどういうことか。人を歓ばせるとはどういうことか、となると意外に答えを探すことも難しいのではないでしょうか。

 とりあえず、我々のチーム(店から出た2チームのうちのひとつ。1チームのメンバーは基本4人だが心意気では5人)の発表は、笑いは取れました(笑。というか、そもそもの最初からいかに笑いを取るかを主眼にしていたため、笑いのレベル的には低くはないと自負できるものがあります。でも、他の店のチームの発表を見るにつけ、やはりメインテーマのホスピタリティということに関しては、うちのチームはやや及ばないものがあったように思います。

 というか、チームでも僕以外のメンバーは、それぞれが相当高いポテンシャルを持っている人たちであって、今回の発表は自分が中心的な役という形になっていたため、やはりホスピタリティに遠い感覚というものは自分自身に原因があるのではないかと感じられて仕方ありませんでした。

 コンテストの最後に、フード部門の偉い人がコメントしていましたが、大切なものは「明るさ」「元気のよさ」「親しみやすさ」「わかりやすさ」というものだと言っていました。なるほど、僕もいろんなチームの発表を見ていて、やはりもてなす側の元気がよく親しみやすい対応というものが下地にあってこそ、サービスとしての定められた手順が、お客さんの心に「嬉しい」という感覚を呼び起こすのではないかというように感じられます。それは、決して逆であってはならないことを意味しています。僕はこの点で、長い間勘違いをしてきたように思いました。

 ちなみに、僕たちのチームは選外でしたが、もうひとつのチームが準優勝をゲットし、とても嬉しかったことを加えておきます。あとはこのホスピタリティ・コンテストで得たことをどう実際の仕事に生かすかということが課題です。例題を解き、本試験に望むような心境。

 そうそう、もうひとつ心に強く思ったことがあります。ホスピタリティとは、「形がないものだ」ということです。こうすればいい、この手順を遂行すればいい、といった「答え」もありません。形がなく答えがないもの。それゆえに、自分で考えてつかむしかないもの。それがホスピタリティというものだと感じます。僕にとって、そこまで至るのは遥かな遥かな道のりです。