極限リサーチ:「GOHANDESUYO」

                       【問題】
 ある朝THE DAILY YOMIURIを読んでいた所, 次のような広告が目に留まった(Fig.1)。
Fig.1

「GOHANDESUYO! is Japanese spread / For Rice / For Bread」
ライスは別にいいとして, フォーブレッドだと???? これは一体どういうことだ。
パンに塗るだと? 正気か? 一体何を勧めているんだ桃屋は。私は混乱した。


                       【目的】
 しかし問題は味である。味さえ良ければ問題はない。しかし「ごはんですよ」を塗ったパ
ンが不味ければ, 日本独自の食材に対して誤解を招く恐れがある。ひいては日本文化自体が
誤解と偏見をもって諸外国に受け止められる可能性すら否めないのである。今年, 北海道は
洞爺湖町でのサミット開催を控え, 日本および日本文化に対するイメージダウンは防がなけ
ればならない。そこで本研究では, 「ごはんですよを塗ったトーストは美味いのか?」を実
際に検証することを目的とする。
 (仮説) 「ごはんですよ」を塗ったトーストはまずい。


                       【方法】
(1) 調査対象
    首都圏某私立大学男子学生2名 (ネイティブジャパニーズ)
(2) 調査時期
    2008年2月上旬
(3) 調査材料
    (a) 地元のスーパーで買った「トップバリュ 食パン」4枚切 (Fig.2)
    (b) 桃屋 ごはんですよ 1ビン (Fig.2)
    (c) 明治 塗るタイプバター (Fig.2)
    (d) 調理器具として, SANYO製オーブンレンジ 1台
    Fig.2

(4) 手続き
     友人Kの自宅にて調査を行った。まず2枚ずつオーブンレンジ(SANYO)に投入した
    のち, 「トースト」のメニューボタンにて自動調理を行った。片面が焼きあがった
    後, 食パンを引っくり返して同様の操作を行った(Fig.3)。そして「ごはんですよ
    を直接食パンの上に塗り, 賞味した後感想を述べ合った。
    Fig.3
     次に同様の手順で食パンを焼いた後, バターを塗りたくり, その上から「ごはん
    ですよ」を塗って賞味し, 感想を述べ合った。


                       【結果】
 1度目の焼いたトーストの上に「ごはんですよ」のみを塗ったものを食した後の感想は、
2人ともに「まずい」というものだった。その内訳は, 「塩味が強すぎる」(2名), 「パンに
塗ってる時点でごはんですよじゃねーじゃん」(1名), 「食べていると気持ち悪くなる」(1名)
などという結果となった(Fig.4)。
Fig.4
 2度目の焼いたトーストの上にバターを塗り, その上に「ごはんですよ」を塗ったものを
食した後の感想は, やや分かれたものとなった。「バターしょうゆ味のようで結構いける」
(1名), 「やっぱりまずい」(1名)というものだった(Fig.5)(Fig.6)。
Fig.5 Fig.6


                       【考察】
 今回の実験では, バターを塗った上では意見が分かれたものの, 「おいしい」という意見
がネイティブジャパニーズから得られことで, 日本人全員が認めないという味ではないであろ
うことが示唆された。その一方, バターを塗らない試行においては全ての感想が「まずい」
というものであった。以上を踏まえ, 「ごはんですよ」をパンに塗る際は最低限バターを塗
った方がいいのではないかということと, 広告にはバターも描き入れた方が良いのではない
かという合意をもって今回の実験調査は終了した。
 本研究の限界としては, サンプル数が少なすぎることで結果の信頼性に多少の疑問を残す
ことが挙げられる。それは今後の課題である。